私達、歯科医院地域一番実践会は歯科専門の経営コンサルティング会社なので
クライアントの医業収入を上げることは重要です。
しかし、目先の医業収入を最大化することが一番重要なことかというと、
そうではないと確信しています。
私はNBAでいえば、サンアントニオ・スパーズというチームが最も優れた
チームだと思っています。
なぜなら、アメリカ4大スポーツの中でも唯一、22年連続でプレイオフに
出場し続けている強豪チームを作っているからです。
そのために目先の勝利や優勝さえも最優先しない優れたチームカルチャーが
構築され、それにより、多くの選手やコーチがスパーズから育ち、最終的に
スパーズの評価が高まり、多くの優れた選手が集まるチームになっています。
目先の勝利を最優先すれば、多くの代償を払うことになります。
それと同様に、目先の医業収入を最優先すれば、多くの代償を払うことになり
ます。
しかし、最近はそれに気づいていない院長先生も多くいるようです。
そして、それに気づかない院長先生に目先の医業収入を最大化させるような
提案をする人もいるようです。
目先の医業収入を最大化させようとすると、スタッフに過度な負担を強いる
ことになります。特に、目先の医業収入最大化をするには一般企業でもそう
ですが、ノルマ設定をして、数値管理を行い、過度のプレッシャーをかける。
そうすれば、簡単に医業収入は上がります。
しかし、その先に何が待ってるでしょうか。
それまで、意欲もあり、能力も磨いてきたスタッフであればあるほど、優秀な
ので目先の業績は上がります。
院長からすれば、魅力的です。
プレッシャーをかければ、それだけで業績が上がるわけです。
そして、目先の医業収入の魔力に取り憑かれた院長はこう思うのです。
「なんだ、やればできるんじゃん!今まで、手抜いてたな」と。
そして、更にプレッシャーを強め、数値管理を行い、ノルマを達成しない、
やろうとしないスタッフには罵声を浴びせます。
しかし、このようにプレッシャーをかけ続けられたスタッフはどう思うでしょ
うか。当然、ストレスが貯まり、スタッフルームでの不平不満グチ文句大会が
盛大に開催され、スタッフの退職が始まり、歯止めが効かなくなります。
そして、残ったスタッフは更なるプレッシャーにさらされ、心身に不調をきた
すスタッフが続出します。
患者さんも押し売りに近い営業をかけられるため、目先の医業収入は上がり
ますが、近隣での評判が次第に悪くなり、新患数がじわじわ減っていきます。
新患数が減ってくると、院長は更にイライラし、一段とプレッシャーを強め、
少ない患者数で高い契約を獲得しようと、もはや押し売り感の強い強引なカウ
ンセリングという名の営業をかけます。
そうやって、スタッフ、勤務Dr、患者さんからも最終的に見放され、最後に
残るのは低迷した医院とある程度のお金だけになるのです。
そんな医院を望んでいる院長はいないと思います。
しかし、目先の医業収入の最大化にはそんな普通に考えればバカなことをさせ
てしまうだけの魅力があるのです。
ぜひ、そんな悲しい歯科医院ではなく、自分が本当に作りたい理想の医院は
どんな歯科医院なのかを考え、その実現のために必要なことを1つずつ実践す
るようにしていきましょう。