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スタッフ教育

スタッフへの従業員満足度調査をしてはいけない

従業員満足度調査

とてもいい響きです。
これをやれば従業員の満足度が分かり、医院の改善につながりそうな感じが
します。

しかし、今まで、いくつかの医院で実施したことがありますが、効果があった
ことは1度もありませんでした。

効果どころか、逆効果にしかなったことがありません。

では、どうしてそんなことになってしまうのか?

それは歯科医院という特性に大きな原因があると思います。
従業員満足度調査も従業員数100名を超えてるような大きな組織であれば
効果があるのかもしれません。

なぜなら、1人1人の意見を聞くことが出来ないからです。
全体の意見を集約し、社員や部署、支店、店舗ごとの意識状態を可視化する
ためには有効なのかもしれません。

しかし、歯科医院の場合、スタッフの人数が少ないために、誰がどのアンケー
トを書いたのか分かってしまうのです。

しかも、会社であれば会社への不満や批判となりますが、歯科医院の場合、
医院への不満や批判は全て、院長個人への不満と批判となるのです。

つまり、従業員満足度調査を行うと、スタッフ1人1人の院長への不満と
個人批判を院長が集中砲火を食らうというだけになるのです。

これを真摯に受け止めて、反省し、改善できる院長だったら効果的です。
しかし、そんなことができるなら、最初からそんな集中砲火は起きないので
す。

そうなると、どうなるかはもはや、明らかですよね。

従業員満足度調査の結果を見た翌日から、院長の機嫌が悪くなり、不満と批判
をたくさん書いたと思われるスタッフへの院長の無視、怒り、注意、文句、
否定などが続くのです。

大体、こんなことになります。
こんなことになるんだったら、最初から従業員満足度調査なんてしないほうが
良いのです。

ですので、実践会のコンサルでは従業員満足度調査なんて提案さえしません。
クライアントの院長先生がどっかから聞いてきて、勝手にやってしまう。

もしくは、院長先生が従業員満足度調査をどっかのコンサル会社に言われて
やってしまって医院が崩壊寸前に悪くなったために、うちにコンサルの依頼が
来るということがほとんどです。

特に良くないのが紙ベースでそのアンケートをもらう形式です。
紙でもらうと、何度もそれを読み返し、そのたびに院長の機嫌が悪くなる。

それだけでなく、院長としては
「せっかく、これだけスタッフにしてあげたのに気持が全く伝わってない」
という事実に直面することになり、スタッフへの不信感が強まり、二度と埋め
られない溝にまで発展することさえあるのです。

更に、最悪なのがアンケートを手書きで書いてもらい、それを紙ベースでもら
えば、誰が書いたかはほぼ明らかです。

私自身もそんなことを言っておきながら、一度だけ、良くないと分かっていな
がらも、あるセミナーに参加した際に「これは魔法のようなアンケートだから
絶対にやったほうが良い」ということで宿題として従業員満足度調査が課題に
出たのでやりました。

うちの会社は様々な取り組みをしているために、そこまで悪い結果にはなりま
せんでした。

しかし、歯科医院さんと同様、
「これは●●さんが書いたんだ」
「こんなこと書かれるんだったら、もう●●するのは止めよう」
「これだけ皆のことを考えても、全く伝わってないんだ」
と絶望にも似た感覚を味わったのを今でも忘れません。

もちろん、それによって私の態度が大きく変わらないように気をつけました。
しかし、それでも少しは出ていたかもしれないと思うぐらい嫌な気持ちになり
ました。

それぐらい従業員満足度調査は100人以下の組織には逆効果しか産まない
ということです。

よっぽどスタッフからの不満と個人批判を集中砲火を食らっても、ひるまない
メンタルの持ち主でない限り、やらないことをオススメします。

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