【未払い残業代請求は連鎖する可能性が高い】
いくら未払い残業代請求のリスクを私が伝えても、ほとんどの院長が自分の
医院でまさか、そんなことが起きるとは想像もしていません。
しかし、残念ですが、既に全国の多くの医院で起きていることです。
そのほとんどの院長が「まさか、自分の医院でそんなことが起きるとは!?」
と言うのです。
しかし、そのリスクは何度もお伝えしているのに、問題への対処をどうしても
後回しにしてしまいます。
なぜなら、労務なんていくら頑張って100点満点にしたとしても、誰からも
喜ばれません。医業収入だって1円も増えません。
それどころか、労務を整備することで残業代をきっちり払うことになり、有給
をしっかり与えることでスタッフの休みが増えたりします。
つまり、短期的視点で見ると、収益の悪化に繋がり、院長としては損をしたと
感じるのです。しかし、それでは長期的視点を見失い、短期的視点に偏ったレ
ベルの低い院長になってしまいます。
労務については労働基準法で定められており、いくらその法律が厳しすぎると
はいえ、それを守っていなければ、すぐにブラックだとスタッフルームで炎上
し、悪いのは医院ですから、何も抵抗手段がないのです。
労務をしっかり守らないことによって、かえって、長期的にはスタッフのモチ
ベーションの低下、スタッフの退職、採用が困難になり、必要な人員が確保で
きないということになるのです。
目先の収益悪化につながったとしても、労務を100点にすることは今後の
歯科医院経営においてはかなり重要なことなのです。
医院を守るためには、労務面をしっかり整備することでしか労務問題から
医院を守ることはできないのです。
そして、労務問題や未払い残業代請求は連鎖する可能性が高いのです。
辞めた後に、何ヶ月かしてから、何人もで請求してくることもありますし、
未払い残業代請求をしたスタッフが今いるスタッフにその話を吹き込んで、
他のスタッフが退職してしまい、未払い残業代請求してくることもあります。
しかも、これから請求期間が3年になるわけです。
一度に3人から、1人100万円、合計300万円を請求される可能性だって
十分にありえます。
そして、そうなったらほぼ100%、医院が負けます。
そこにかかる労力も相当ですし、何より院長がスタッフを信用できなくなる
のです。
「あれだけ、色々してやったのに、こんな仕打ちを受けるのか」と。
そうなると、スタッフと医院との信頼関係が長期的に崩壊する可能性さえ、
あるのです。
対岸の火事ではなく、日本の90%以上の歯科医院で労務は60点以下です。
自分の医院でも、いつ労務問題が起きてもおかしくないと思って、今から対策
していくことをオススメします。