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労務・人事評価・採用

吉本興業の一連の騒動から何を学ぶか

今回の反社会的勢力から宮迫さん、田村亮さんが金銭を受け取っていた一連の
騒動が大きくなっています。

今回の件は様々な問題をはらんでいると思います。
また、学びの宝庫だと思いますので、皆さんと共有したいと思います。

学び1.今の日本社会はおかしい

そもそも、今回の宮迫さん、田村亮さんが反社会的勢力から金銭を受け取って
いたことは問題だとは思いますが、予め、反社会的勢力だということを認識し
てない状態で受け取ってしまったことをそこまで社会は糾弾すべきでないと私
は思います。

誰にだってミスはあるし、知らない状態で受け取ることまで糾弾するのはやり
過ぎだと思います。

また、最初は受け取ってないと言ったのに嘘をついたというのが糾弾している
大きな理由のようですが、自らの保身に走るのは誰だってあることだと思いま
す。

それを糾弾していたら、この世に許される人はいなくなってしまうのではない
でしょうか。

こんな失敗やミスが許されない社会では誰もチャレンジしなくなるのは間違い
ないと思います。

そもそも、今の労務の世界では従業員は保身のためにいくら嘘をついても許さ
れ、解雇されることは滅多になく、そうやって保身のために嘘をついてる従業
員は腐るほどいます。

そうやって、自分に甘く、他人に超厳しい狂った社会だということを改めて、
示したということだと思います。

そして、この超厳しいのは成功者、芸能人、経営者、上司など目立ってる人、
リーダーの立場の人に限られるのです。

つまり、歯科医院の院長は経営者であり、リーダーですので、非常に厳しい目
でスタッフから見られており、一つの嘘や保身、ミスも厳しく追求される可能
性が高い立場にいることを常に忘れてはいけないと思います。

学び2.会社に対する損害を与えたという認識が希薄

私は今回の件は非常に学びが大きいと思い、実は宮迫さんと田村亮さんの会見
2時間をほぼすべて見ました。

そこで、会社に対して暴露するような会見をすることに対して

「こんなことしたいわけないじゃないですか!」
「吉本には感謝しかないです」

と言った会社への思いはありました。
しかし、会見だからあまり言えなかったのか、会社に大きな損害を与えてしま
ったという認識が非常に薄かったように思います。

先輩芸人達にこれまでお世話になってきたのに、その信頼を裏切ってしまった
ということには号泣されてました。

その気持は良く分かります。
しかし、先輩との絆を壊したり、信頼を裏切ってしまったことは非常に大きな
ことではあります。

しかし、会社に与えてしまった損害は金額で換算すれば、莫大な金額になる
可能性があり、そこに対する認識が非常に薄かったと思います。

やはり、人というのは自分がもらうお金が減れば狂ったように激怒しますが、
会社のお金を奪うことには自分のお金が減ることの1万分の1ぐらいしか悪い
と思わないとうことが今回の件からも学べると思います。

従業員というのはそのように考えてるものなんだということを認識しておく
ことは経営者として重要なことなのではないかと思います。

つまり、経営者が組織のお金を失うことに対する怒りと従業員が組織に損害を
与えることの感情には1万倍の差があるのです。

それを同じだと思って、怒っても全く伝わらないということです。
その差がある前提で冷静にしっかり説明しないと怒ったらどうなるか?

そうです。見事な「恫喝」「パワハラ」となるのです。
それは今回の岡本社長の件でもよく分かる通りです。

学び3.パワハラに対する社会的制裁が厳しくなっている

今回の騒動では様々な問題が複雑に絡み合っており、たくさんの問題を含んで
いることが多くの人の関心を引きつけているのだと思います。

恐らく、参議院選挙より、国民の関心は吉本騒動のほうに集まっていたのでは
ないでしょうか。

それだけ関心を集めた要因の1つに宮迫さん、田村亮さんの暴露会見で明かさ
れた「パワハラ」があったのではないでしょうか。

もちろん、パワハラが間違いであることは確かです。
しかし、物凄い損害や会社への信頼を失う行為を2人はしているのです。

会社を経営する立場としては、もはや2人をどう守るかよりも、会社をどう
守るかを考えなければいけない側面が大きかったのは想像に難くありません。

しかし、そのような会社の立場を養護したり、理解を示す論調はほぼゼロ。

世の中のほとんどの人がそういう立場に立ったことがないので分からないん
だと思いますが、政府とも仕事をしている立場や信頼が損なわれるリスクを
考えれば、二人の行為は会社からすれば相当に許せない行為です。

それに対して怒ったり、厳しい発言をするのはある意味、当たり前ではない
でしょうか。

しかし、そのような発言は全て「パワハラ」「恫喝」として扱われてしまう
のです。

しかも、今回の岡本社長との会話は録音されていたとも一部、報道では言われ
ています。

今後、先生が女性スタッフや勤務Drに怒ったりするときは全て録音されてる
可能性があると思ったほうが良いでしょう。

もし、録音されていたとしても大丈夫な対応ができるようにならなければいけ
ない時代になっているということです。時代は変わったのです。

狂った社会で、社会が間違ってるところが大きいと思います。
じゃあ、それだけ経営者に求めるんであれば、それだけ従業員が優秀になった
り、能力が上がってるのであれば良いのです。

しかし、現実は逆です。
以前より、やる気も能力も下がって、更に給与は上がってるのです。
しかも、保険点数は下がってる。

こんな中で、経営者ばかりに求められることが多くなる。
それが今の時代なのです。

今後、あなたの歯科医院でやる気がない、能力がない、技術がない、ミスを
する、機械を壊す、そんなスタッフに院長が怒れば、それが録音されて、
ネット上に公開されるリスクがあることを十分に理解しなければいけません。

恐らく、今回の件で、吉本興業の岡本社長は退任せざるを得なくなると思い
ます。それぐらいパワハラに対する社会的制裁は大きいのです。

部下ハラや部下のミスは全て許されているのに、上司や経営者にばかり厳しい
日本でどうやってリーダーやベンチャーを生み出そうとしてるのか謎でしょう
がないですね。

学び4.労務的な契約が厳しく追求される

以前から、TVなどでは話題になってましたが、吉本はギャラが安い問題です
が、これが本格的な問題に今回の件でやり玉に挙がるはずです。

書面で契約を交わしていないため、何がどうなって、その報酬が決まったのか
も分からない。

吉本の社長は「9:1はない、5:5か6:4ぐらいだ」と言ったようですが
詳細は分かりませんが、会社の売上に対する芸人全体の分配率を言ってるんだ
と思います。

もちろん、これは嘘ではないんでしょうが、稼ぎが少ない芸人には9:1ぐら
いが現実なのではないでしょうか。

また、契約書などを交わせば、様々な手間がかかり、管理コストもバカになり
ません。

それらを会社側としては避けたいんだと思いますが、もうそんなことが許され
る時代ではなくなりました。

闇営業をするのはギャラが安いからだと言われてますが、そうじゃないと私は
思います。

世の中、これだけ副業が認められるべきという論調であり、芸人は個人事業主
なのですから、どこと仕事しても全く問題ないというのが根本なのではないで
しょうか。

そして、そもそも、専属契約などの契約を書面で交わしてないのであれば、
直で仕事しようが、闇営業だろうが、何をしてもいいのではないでしょうか。

どちらにしても、下請法からも、これまでのような口頭での契約が容認される
社会ではもはやなく、その時代変化に吉本興業が対応できてなかったことは
間違いなく、そのような労務的なミスを許すような社会ではないと思います。

つまり、歯科医院においても、このような労務的な手続きに不備があると、
今回のような制裁を受ける可能性があり、社会的制裁ではなくても、スタッフ
ルームでの不平不満グチ文句大会の原因になることは間違いありません。

・雇用契約書
・労働条件通知書による固定残業代の時間数の明示
・就業規則の説明と交付
・給与計算が正しい
・給与が支給日に振り込まれる
・求人で見た条件と実際の条件が同じ
・有給休暇が自由に取れる
・残業代が1分単位で支払われる
・残業が午前診療後、午後診療後も支払われる
などなど

これらの労務的な歯科医院でよくある問題は歯科医院側としてはこれらを
きちんと整備することは大変なのは私も自分で会社を経営していますから、
よく分かります。

しかし、働く女性スタッフからすれば当然でしかないのです。
それは当然の権利であり、それが満たされてないということは不満足度要因が
満たされてないということであり、不満でしかありません。

ただ、不満足度要因はいくらそれを満たすのが歯科医院側からすれば大変でも
満たされていても普通でしかないのです。

もはや、それは空気と同じです。
空気がなければ、不満どころか、苦しくて怒りますよね。
でも、空気がたくさん吸えても、日常生活の中で喜ばないのと同じです。

今回の吉本興業の一連の騒動から、あなたは何を学び、何を今後に活かして
行きますか?

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